“gimbap” 韓国海苔巻 キンパ

“gimbap” 韓国海苔巻 キンパ

2014.02.01

韓国海苔巻き、キンパ。日本の海苔巻と似ているけどちょっと違う、その由来を知りたいと思い、韓国人アーティストのキム・ソンヨンさんを招いて、キンパを使ったワークショップ&ディスカッションを企画。

多くの韓国人が、韓国オリジナルの国民食と信じて疑わないキンパですが、調べてみると、元は日本由来のもので、日本統治時代に持ち込まれ、韓国風にアレンジされ定着していった食文化の一つという説がありました。そこで私たちは、私たちのオリジナルの海苔巻(キンパ)を作って食べてみようと考えました。

事前リサーチに、キムさんと新大久保の韓国食材店へ。キムさんからキンパや韓国の食文化についてお話を聞きながらキンパに必要な食材を買い集めました。

そして当日。
事前に揃えたキンパの食材と日本の海苔巻の基本具材の両方を用意しました。さらには、参加者自身が入れてみたい具材を前もって考えてもらい、持参してもらいました。各々のキンパを作る準備が整いました。

最初にキムさんから日本の海苔巻とキンパの違い、韓国人にとってのキンパ、最近のキンパ事情など色々話しをしてもらい、その後はキムさんに教わりながら皆でワイワイガヤガヤとキンパ作りをスタート。
キムさん以外の韓国人参加者の方々にもフォローしてもらいながら作業をすすめていきました。

キンパが完成した後、テーブルを囲んで、キンパを食べながらのディスカッションを開始。キンパを作ってみた感想から始まり、各々の海苔巻に関する想い出や各家庭のレシピ、形状の違いなど様々なエピソードが展開されました。
そんな中、特に興味深い内容が、海苔巻に使う板海苔の養殖品種が、長く日本の品種だったという話。キンパの起源についても日本と韓国で諸説あることもわかりました。日本と韓国の比較も含め、両国の食や文化の変遷について、政治や歴史的背景にもふれながらディスカッションは終了しました。

起源を同じくしながらも、独自の進化をとげ人々の暮らしの中に定着していった料理は数多くあります。今回は、キンパという一つの料理を手掛かりに、その背景を辿ることで、日本と韓国の関係を政治や歴史とは異なる視点から考察することを試みました。充分な考察や検証が出来たとは言えませんが、初めてのキンパ作りも楽しく、互いの国の文化や習慣の共通点や差異を知ることも出来、有意義な時間をとなりました。