“ramadan 2015”

“ramadan 2015”

2015.07.11

「イスラム教の教義の一つである“ラマダン”を1日経験してみる」というワークショップ&ディスカッションを企画。

“ラマダン”とは、約1ヶ月間、日の出から日没の間の飲食を断ち神の恵みに感謝する、イスラム教徒の5つの義務である『五行』のひとつとして行われるものです。ただ、単に飲食を断つというだけでなく、飲食、アルコール、喫煙、性行為、悪口、喧嘩などを慎み、己の私利私欲を抑え、悪意を排除し、他人のことを思いやり尊敬する精神を養うという意味も含まれています。

この企画では、世界中のイスラム教徒と同じように、日の出から日没までの1日断食を行った後、イフタール(日没後の食事)を皆で囲み、話しをするという体験を通して、イスラム教やイスラム文化を、宗教や政治などとは違った側面から、意識して考えてみようという試みです。

参加者には事前にインストラクションを送付し、日の出から1日断食をスタート。今回の企画では、イスラム教が定めた禁止行為に加え、新たにもう一つ、日常の行動や生活に制限を課すことを参加者自身が考え、実践してもらうことにしました。それらを含め1日過ごしてもらうことで独自のラマダンを創造し経験してもらいました。

2015年7月11日の日没時刻18時59分にart & river bankに集合。アザーンが会場に響き、ラマダンが明けたことを知らせます。
当日、調理し準備したイフタールの食卓を囲みながら、ラマダンを経験してみたことの感想、1日どんな事を考え過ごしたか、制限した内容などを話し、食事を共にしました。制限内容には「携帯をいじらない」「SNSを見ない」「PCを触らない」「ゲームをしない」「現金を使わない」などが挙がり、普段の時間の使い方や、無意識の行動について考えさせられたという感想も多く聞かれました。

全世界のイスラム教徒の人々と、1日だけですが経験を共有することになるこの企画。
もちろん異文化理解を深めるには、ささやか過ぎる試みですが、いつもとは異なる1日を過ごした経験は、充足感と清々しさを私たちにもたらしてくれました。

イフタール・メニュー
・ドライデーツ(ナツメヤシの実)
・フムス(ひよこ豆と練りゴマのディップ)
・バガリール(モロッコの薄いパンケーキ)
・ファラフェル(ひよこ豆のコロッケ)
・サモサ(ジャガイモ・羊肉・玉ねぎなどの炒めたものを小麦粉の薄皮で包んで揚げたもの)
・ガドガド(インドネシアの温野菜のサラダ)
・ハリラ(野菜・肉・レンズ豆の入ったモロッコのスープ)