“queijo de minas”

“queijo de minas”

2018.12.22 18:00-19:00, 12.23 17:00-18:00

art & river bankの“テント村#07”に参加。
今回のテントは、ブラジル・ミナスジェライス州の「ミナスチーズ」とともに“つたえる”を考えてみるワークショップの企画。

「ミナスチーズ」はブラジルの家庭で手軽に作られているもっともポピュラーなフレッシュ・チーズ。ミナスとは「鉱山」という意味で、ブラジルがポルトガルの植民地だった時代、ミナス・ジェライス州には金やダイヤモンドが採掘される鉱山があり、そこで働いていた鉱夫が持ち込んだチーズが、いつしか「ミナスチーズ」と呼ばれるようになったとのことです。

今回の企画にあたり、ブラジル人のフラビアさんに「ミナスチーズ」の作り方を教えてもらいました。彼女の自宅にお邪魔し、郷土の歴史や風土、祖母や母との想い出、ブラジル家庭料理の話などを交えながら作り方を習う・・・ それは単なる料理の材料や手順の伝達行為だけではなく、世代や国を超え伝えられてきた、知識や想い出を受け取る、とても豊かな体験でもありました。

そこで今回は、教わったレシピで作った「ミナスチーズ」を実際に食べながら、“つたえる”と“つたわる”の実践を試みてみようと考えました。

まずは事前に、教わったレシピで「ミナスチーズ」を仕込み、材料と作り方のキーワードのみを記したシートを作成しました。当日は、参加者とともにテントの中に入り、「ミナスチーズ」を実際に試食してもらうところからスタート。
チーズを食べてもらいながら、ミナスチーズの由来やブラジルの話、フラビアさんに教えてもらった時の様子などをお話しました。ひととおり食べ終えたら、材料と作り方のキーワードを記したシートとペンを配布し、作り方の説明です。
材料や分量、時間などは正確に記しましたが、一つ一つの工程にはあえて余白をもたせて作成したシート。
シートに記したキーワードの順に、フラビアさんから習ったことに加え、実際に私たちが試作を繰り返したことで得た感覚やコツ、というような曖昧なものも捕捉しながら口頭でつたえしました。参加者のみなさんが、私たちの説明から自分が必要だと思ったことや言葉を拾い、書き入れていくことでレシピシートは完成し、自分のレシピシートとしてそれを持ち帰ってもらいました。

後日、実際に家で作ってみたというお知らせもいただき、なんとかフラビアさんから受け取った“つたえる”を私たちなりに受け渡せたとように思いました。

「ミナスチーズ」のレシピ
材料
牛乳(成分無調整)1L、レンネット2g、塩化カルシウム2g, 塩20g、水

作り方キーワード
37度 / 10㏄の水 / 2時間くらい / ナイフで格子状 / 30分~1時間 / 80% / 冷やす / 2日くらいの水きり