“ramadan 2020”

“ramadan 2020”

2020.05.23

tavola apertaの企画「イスラム教の教義の一つである“ラマダン”を1日経験してみる」の第4回を企画。

通常のラマダンは日没後にイフタールという断食明けの食事を家族や親戚と楽しみ、貧しい人々へ食事をふるまうなどの喜捨が行われ、モスクには人々が集まり礼拝が行われます。
しかし今年は、新型コロナウィルスの影響で多くの国で自粛や禁止の措置が取られており、礼拝もイフタールも原則自宅で家族のみという異例な状況で行われました。
過去3回行ってきたラマダンの企画も、日の出から日没までの1日断食を経験した後、art & river bankに集まり、イフタールを囲みながらイスラム教やイスラム文化について話しをする、参加者の皆さんとイフタールの調理を行うなどしてきましたが、今年は現在の状況下で行える範囲で「イスラム教の教義の一つである“ラマダン”を1日経験してみる」を、ラマダン最終日である5月23日に実施しました。

今回の企画で行ったのは以下の3つ。
・インストラクションに従って日の出から日没までの1日を過ごす。
・こちらから事前に渡したデザインイメージを活用し、1日を過ごす。
・2020年5月23日の日没時間にZOOMで集まって食事をしながら話をする。

当日は日没時間の18時45分に集合。
アプリでアザーンの祈りを流し、各自で用意した食事を前にイフタールを開始しました。
どんな風に1日過ごしたか、イメージデザインを使って何をしたか、イフタール用に準備した食事の紹介などを報告。
イメージデザインの使い方は、「リストバンドにして、新大久保のイスラム横丁を歩いてきた」「ヴァーチャル背景にしてZOOMに参加してみた」「自宅ポストに掲示した」「トートバックを作って買い物に出た」「携帯の待受けにした」などなど。
食事に関しては、こちらから事前に送付したインストラクションに参考レシピとして、「フムス(ひよこ豆と練りゴマのディップ)」、「ジャジュック(きゅうりとヨーグルトの冷製スープ)」を載せたので、この2つを実際に作ってみてくれた方も何人かいました。
報告が一巡した後は、春から続く緊急事態宣言下の生活や仕事の状況などの話題が続きましたが、皆さんの近況も聞けて一安心しました。また、仕事がリモートになっていることや今回はオンライン開催となったことで、逆に参加出来たという方もいました。

非常事態宣言以降、さまざまな行動が制限されている中、「食」が生活の中で大きな関心ごとになっている人も多いのではないかと思います。そんな中、1日だけですが断食をし、欲を抑え、落ち着いて静かに過ごしてみることで、一旦立ち止まり、ゆっくり呼吸し、生活をリセットしてみるのもいいのかなと感じました。

そして、食卓を共にし、共に味わい、会話を交わすという事が、社会的行為であると、今回よりいっそう深く感じました。
再び皆で一つのテーブルを囲む事が出来る日を願いながら・・・、今年のラマダン企画は終了しました。