“ramadan 2019”

“ramadan 2019”

2019.05.25

「イスラム教の教義の一つである“ラマダン”を1日経験してみる」の第3回を企画。

“ラマダン”とは、約1ヶ月間、日の出から日没の間の飲食を断ち神の恵みに感謝する、イスラム教徒の5つの義務である『五行』のひとつとして行われるものです。今年も5月5日から6月4日までがラマダン期間。

世界中のイスラム教徒と同様にこちらの用意したインストラクションに沿って日の出から日没までの1日断食を経験した後、art & river bankに集まり、イフタール(日没後の食事)を皆さんと囲みながら、イスラム教やイスラム文化について考えてみるという従来のプログラムの流れに加え、今回は新たな試みとして、参加者のみなさんにイフタールの調理、準備の一部を経験してもらいました。

今回挑戦したのは、トルコの水餃子“カイセリ・マントゥ”。カイセリはトルコのカッパドキアの近くにある町の名前で「マントゥの町」として有名な場所だそうです。17時にart & river bankに集合し、日没時間に食事を始められるように、みんなで作業を開始しました。

まずは事前に練って寝かしておいた生地を幾つかに分け、打ち粉をふったテーブルの上で麵棒を使って伸ばしていきます。
生地を薄く伸ばしたら3cm角くらいの格子状にカット。生地と同じようにあらかじめ混ぜ合わせておいた具材(羊肉のミンチ・玉ねぎ・パセリ・塩・胡椒・パプリカパウダー)を少量とり、生地にのせ四方の角をつまんで巾着状に包みしっかり閉じます。
この手順でちまちまと作業をすすめ全員で約100個のマントゥを作りました。

その後は、作業台を片付け、他の料理も器に盛りつけたりしながら、日没時間になるのを静かに待ちました。そして18時46分、アザーンの祈りの調べが鳴ると共にイフタールを開始。まずは、胃が驚かないように、お茶やローズ水を口にして、デーツからいただきます。ラマダンを経験した感想をなど話し、おしゃべりを楽しみながら食事をすすめていき、最後は全員で作ったマントゥを茹でて、熱々のうちに辛みのあるバタートマトソースとヨーグルトソースをかけて美味しくいただきました。

ラマダンとは、単に飲食を断つというだけでなく、飲食、アルコール、喫煙、性行為、悪口、喧嘩などを慎み、己の私利私欲を抑え、悪意を排除し、他人のことを思いやり尊敬する精神を養うという意味も含まれています。
今回、断食の最後に、イフタールの準備を共にするというプロセスを加えたことで、“一つの食卓を囲み、皆で食べる喜びを分かち合う”ということの大切さを、より一層強く感じられたように思いました。

イフタール・メニュー
・ドライデーツ(ナツメヤシの実)
・ビーツとミントのディップ(ビーツ、ミント、ヨーグルト、にんにくのディップ)
・ナン
・ジャジュック(ヨーグルトときゅうりとにんにくの冷製スープ)
・チョバン・サラタス(羊飼いのサラダ・・・トマト、きゅうり、たまねぎ、青唐、卵、ディル、オリーブetc)
・カイセリ・マントゥ(羊肉の水餃子)