“新米祭!- imagine tsumari” tavola aperta + atsushi sugita

“新米祭!-imagine tsumari” tavola aperta + atsushi sugita

2016.10.09

秋のtavola apertaの企画は“新米祭!- imagine tsumari”。
今回は杉田敦さんの「imagine sea」とのコラボレーション企画。

*「imagine sea」は2012年に長野県塩尻市で行われたプロジェクトです。
“塩尻は塩の道の最終端、つまり、海から最も遠く隔たった場所。そこにいながら「海を想う」こと、つまり、いまの自分と、最も隔たったものに想いを馳せることを促す試み”(「imagine sea」テキストより)

新潟のお米マイスター竹内さんが作った新米コシヒカリで握ったおにぎりを、みんなで車座になって食べながら、「いまの自分と、最も隔たったものに想いを馳せること」を試みるイヴェントを行いました。

車座になっておにぎりを食べる・・・、これは2009年に私たちも作品出展者として関わった、大地の芸術祭越後妻有トリエンナーレの時に催されていた、「車座おにぎり」という作品に参加した時の想い出です。
芸術祭に参加している各エリアの地元衆(女衆)が、手製の漬物や自慢の米で握った塩にぎりをふるまう。馳走になる私たち(旅人)は何かを返礼する。目印は昼時になると集落のどこかに建つ赤いのぼり旗。私たちも青空の下、敷かれにゴザの上にあがり車座になって、塩にぎりをいただきました。ふるまう側とふるまわれる側、互いに遠慮しながら始まった食事の風景も、一つの輪を囲むことで、徐々に境界が曖昧になっていくような、ほっこりとした時間でした。
そして、お米マイスターの竹内さんは、約3カ月滞在した新潟県十日町市浦田の古民家の二軒裏手に住んでいらしたご夫婦。食事に呼ばれたり、野菜をいただいたり色々お世話になりました。芸術祭終了後もご縁は続き、今も竹内さんのお米を食べる度に、妻有で過ごした時間や風景がよみがえります。

当日はこちらで竹内さんの新米で握った塩にぎり、ささやかなおかず、新潟の地酒とお茶を用意しました。
参加者の みなさんには旅人という体で集まってもらい、青いビニールシートに車座になって、おにぎりを食べ、窓の外に見える多摩川と対岸の高層マンションの立ち並ぶ景色に、里山の山々を・・・、稲穂実る棚田の・・・、そこにはない越後妻有の風景を想像してもらいました。 ひととおり食べ終えたら、参加者(旅人)からお返し代わりの語りの時間。
特別なテーマもなく、ゆるゆるとした時間とトークを楽しみ、イヴェントは終了しました。